徹底分析シリーズ LMA・声門上器具
巻頭言
本田 完
pp.693
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100707
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- 文献概要
生兵法は怪我のもと?
食わず嫌いも怪我のもと?
1988年だと思うが,東京 笹川記念館でのDr. Brain講演会の英文抄録が小生の手元にあるラリンジアルマスクlaryngeal mask airway(LMA)の最古の文献である(追っかけよろしく,Dr .Brainのサインをもらった)。
奇妙奇天烈なグッズは,駆け出し麻酔科医にはその有用性も将来性もわからなかった。1989年に後輩が小児の鼠径ヘルニアの麻酔に使用しているのを見て,「マスク麻酔ができない連中が安易に使うんだ!」と蔑視していたが,1991年,乳癌患者の麻酔に使用したのを契機に,上部消化管,下部消化管,小児麻酔,肺切除,腹腔鏡下手術,腹臥位手術等々,さらにはICUでの呼吸管理にと,自身が持つ気道確保の選択肢として不可欠なものになっている。
1988年に英国で臨床使用が始まり全世界に普及しているLMAは,麻酔科医の気道確保への考え方を根本から覆したともいわれ,手術麻酔だけではなく救急現場,集中治療領域でと多様に使用されている。反面,いまだにLMAを嫌う麻酔科医も多い。さらには“同じ柳の下の鰌”よろしくLMAに似て非なる気道確保器具も市場に溢れている。と同時に本家LMAも,年々進化を遂げている。
本徹底分析では,LMAとその類似気道確保器具について,その違いや使い分け,長短所,LMAの新製品の紹介とともにLMAを上手に使いこなすための実践的なコツとポイントや使用時に抱く疑問について,新旧交えた経験者に論考をお願いした。
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