徹底分析シリーズ LMA・声門上器具
私の疑問に答えて!
カフ内圧の調整は必要ですか?
上嶋 浩順
1
,
浅井 隆
2
Hironobu UESHIMA
1
,
Takashi ASAI
2
1倉敷中央病院 麻酔科
2関西医科大学 麻酔科学講座
pp.778-780
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100726
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■カフ漏れや合併症のないLMAの挿入には調整は不可欠
LMAが日本で使用され約20年がたち,いろいろな種類が発売され,さまざまな使用法が確立されてきた。しかし,約20年過ぎてもまだまだわからないことが多く,「LMAのカフ内圧の調節の必要性」は,その代表的な疑問の一つではないだろうか?
■まさか,カフに最大量を注入しておしまいではプロの麻酔科医ではない
気管挿管後のカフ圧調整は常識です
気管挿管のあと,カフに注入する空気量を調整するのは常識です。なぜなら,カフを膨らませすぎると,カフが気管の粘膜,血管,神経を圧迫し,術後の喉の痛みや嗄声,声帯麻痺,そして気管粘膜の壊死を誘発する危険性があるからです。圧迫する圧が高いほどこれらの合併症が起こる危険性は高くなりますが,逆にどのくらいの圧以下なら“安全”,と言えるのでしょうか。これに対しては明確な答えはありません。しかし,組織の毛細血管血流が低下するほどの圧が加わらないようにするのがよい,と言えます。
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