連載 A.M.C.心臓手術と麻酔:第11回
急性肺血栓塞栓症に対する直視下血栓摘除術
吉田 和則
1
,
内藤 嘉之
2
,
井出 雅洋
3
1西宮渡辺病院 外科
2明石医療センター 麻酔科
3神戸麻酔アソシエイツ
pp.1242-1250
発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100552
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症例
46歳の男性。身長170cm,体重74kg,体表面積1.89m2。呼吸困難を自覚し,近医を受診した。胸部X線にて異常陰影を指摘され,胸膜炎の診断にて入院加療となった。入院翌日早朝,起床直後に突然の心肺停止となった。直ちに心臓マッサージ,気管挿管および人工呼吸が行われ,ほどなく自己心拍が再開した。経胸壁心エコー検査(TTE)にて急性肺動脈血栓塞栓症が疑われ,直ちに心臓カテーテル検査室に搬入,経皮的心肺補助(PCPS)装着のうえ,肺動脈造影検査が施行された。左右の肺動脈内に多量の血栓塞栓子を認めたため,より軽度である左肺動脈内の血栓塞栓に対し,カテーテルによる吸引除去を行った。右肺動脈は巨大血栓によりほぼ完全に閉塞しており,血栓の吸引除去は困難と判断された。患者はPCPSおよび人工呼吸器装着のまま当院に転送され,直ちに肺動脈血栓摘除術が施行された。
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