Japanese
English
Bedside Teaching
肺血栓内膜摘除術
Pulmonary Thromboendarterectomy
岡田 修
1
Osamu Okada
1
1千葉大学医学部呼吸器内科
1Department of Chest Medicine, School of Medicine, Chiba University
pp.781-789
発行日 2001年8月15日
Published Date 2001/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902332
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はじめに
肺血栓内膜摘除術(pulmonary thromboendar—terectomy:PTE)は,肺高血圧に対して有効な数少ない外科的治療法の一つである1〜3).PTEの対象となる疾患は,慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thrornboembolic pulmonary hyperten—sion:CTEPH)であるが,本疾患は最近までその疾患概念ならびに診断基準が明確でなかったこともあり,原因不明の右心不全などとして見過ごされている症例も多い4).PTEにより十分な血栓内膜の摘除が行われると,肺循環動態ならびにガス交換諸量の改善は著明であり,生命予後および患者のquality of life(QOL)にも明らかな改善がみられている5,6).しかしながら,PTEは胸部外科領域の手術としても難易度の高い手術であり,その手術死亡率も高いことから7),適応とすべき症例の選択が臨床的に極めて重要といえる.
ここでは,手術対象となるCTEPHの診断についてまず触れたうえで,PTEの適応と術式,ならびに手術成績に関して自験例での成績をもとに解説を加えたい.
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