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特集 肺高血圧症の最近の治療
慢性肺血栓塞栓症に対する血栓内膜摘除術
Thromboendarterectomy for Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension
安藤 太三
1
Motomi Ando
1
1藤田保健衛生大学医学部胸部外科
1Department of Cardiovascular and Thoracic Surgery, Fujita University School of Medicine
pp.873-879
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100712
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はじめに
慢性肺血栓塞栓症は,基質化した血栓が肺動脈に閉塞や狭窄性病変をもたらす結果肺高血圧が生じて,最後には呼吸不全や右心不全に陥る重篤な疾患である.生活の欧米化とともに診断技術の向上により,本邦においても近年本症の頻度は増加傾向にある1).本症の成立機序は不明な点もあるが,四肢の深部静脈に形成された血栓が反復性に遊離して,肺動脈において溶解しないで陳旧化することが主因と考えられている2).治療として,本症における肺血栓は淡白色で肺動脈壁に固く付着した器質化血栓なので,血栓溶解療法は一般的に無効である3).根治療法として血栓内膜摘除術が行われるが,最近になって外科治療法が確立され手術成績も良好となってきた4~16).
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