徹底分析シリーズ 麻酔導入法
チオバルビツレートによる麻酔導入:信頼度の基礎を見直す
讃岐 美智義
1
Michiyoshi SANUKI
1
1広島大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔蘇生学
pp.952-956
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100430
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バルビツレートは大きく2種類に分けられる。2位に酸素が結合したオキシバルビツレートと,硫黄が結合したチオバルビツレートである。麻酔導入に用いられるバルビツレートには,オキシバルビツレートのメトヘキシタールとチオバルビツレートのチアミラール(イソゾール®,チトゾール®),チオペンタール(ラボナール®)がある。いずれも超短時間作用性であるが,わが国ではチオバルビツレートしか使用できない。
急速導入に用いる静脈麻酔薬として一世を風靡したチオバルビツレートであるが,プロポフォールの登場で麻酔導入薬の首位の座を引きずり下ろされたのは記憶に新しい。しかし,麻酔導入薬として長年慣れ親しまれたことと手軽さから,いまだにここぞという場面では,チオバルビツレートへの信頼は厚い。
本稿では,適応や禁忌,代謝と排泄,実際の投与法(静注・経直腸投与),投与上の注意点,気管支喘息の誘発について,チオバルビツレートを見直すとともに,その麻酔導入に関する諸問題について考える。
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