研究
尿素定量におよぼすチオ硫酸塩の妨害
寺田 京子
1
,
北村 元仕
1
1虎の門病院生化学科
pp.527-529
発行日 1969年6月15日
Published Date 1969/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906455
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はじめに
日常の腎機能検査には,患者に苦痛を与えることの少ない内因性クリアランスの測定が好まれるが,詳しい経過情報を得るためには,糸球体濾過値(GFR)や腎血漿流量(RPF)などの外因性クリアランスをも実施しなげればならない.
筆者らの病院において,実用上の便利きから内因性および外因性のクリアランス測定を同時に実施したところ,GFR,RPFの値に比べて,つりあいのとれない尿素クリアランスの低値に遭遇した.表1はこの時の患者4例の両クリアランス値を示したものであるが,各例に共通して同様の解離が示されたことは,測定法の正確度に問題があるのではないかという疑問をわれわれにいだかせた.
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