症例検討 無痛分娩
これって本当に無痛分娩っていうんですか?
角倉 弘行
1
Hiroyuki SUMIKURA
1
1国立成育医療センター 手術・集中治療部
pp.674-677
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100370
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多くの国々で無痛分娩はごく一般的な医療行為として普及しており,麻酔科医はその担い手として活躍している。一方わが国では,無痛分娩の普及率が非常に低く,無痛分娩に積極的に関与している麻酔科医の数もかぎられているのが現状である。たとえば無痛分娩を実際に担当したことのある読者はどれくらいいるだろうか。同僚や産科医から頼まれて,無痛分娩のための硬膜外カテーテルを入れたことがあるくらいの方がほとんどではないだろうか。
硬膜外カテーテルを挿入して教科書に載っているレジュメに従って持続注入装置やPCA装置につないだだけでは,産婦の十分な満足は決して得られない。カテーテルだけ挿入し,あとは産科医や助産師任せでは,麻酔科医のいないLDRで,無痛分娩に対する否定的な評価が渦巻いてしまうかもしれないのである。
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