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特集 病態を変えたよく効く医薬
抗高血圧薬:Ca拮抗剤―作用機序
The mechanism of action of Ca antagonists
長尾 拓
1
Taku Nagao
1
1東京大学薬学部毒性薬理学教室
pp.684-688
発行日 1995年12月15日
Published Date 1995/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901037
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Ca拮抗薬は冠状動脈の拡張作用が強いことから抗狭心症薬として開発されたが,今ではむしろ抗高血圧作用が共通の薬効となっている。Ca2+チャネルブロッカーとも呼ばれるように,Ca拮抗薬の作用機序は電位依存性L型Ca2+チャネルに結合して,細胞内へのCa2+の流入を抑制することによる。電気生理学的な研究は主として心筋を用いて行われた。Ca拮抗薬は,プローブとしてL型Ca2+チャネルの構造決定に重要な役割を果たした。また,Ca拮抗薬は多剤耐性の機構の研究を促進したこともよく知られている。L型Ca2+チャネル以外の蛋白にも結合する薬物があることも示している。有用な治療薬でありながら,基礎研究にも役だった幸運な薬物群である。
Ca拮抗薬という名称は,心筋収縮力の抑制がCa2+で拮抗されるとの発見や,カリウム脱分極血管平滑筋を弛緩させ,外液Ca2+と見かけ上拮抗することから名付けられた。これらの研究には,FleckensteinやGodfraindの寄与が大きいとされている。本稿では,薬物による作用機序,作用点,血管と心筋の選択性について,代表的なCa拮抗薬を中心に述べる。
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