特集 中毒
Part 2 診断と治療のアプローチ
4.解毒・拮抗薬—作用機序を理解してタイミングを逃さずに使用する
黒木 由美子
1
,
遠藤 容子
1
Yumiko KUROKI
1
,
Yoko ENDO
1
1日本中毒情報センター
pp.609-617
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200421
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中毒患者の治療において,適切な治療を行うために留意するべき点は,その中毒起因物質に対する特異的な解毒・拮抗薬が存在するかどうかである。本稿では,解毒・拮抗薬の作用機序,国内で承認されている種類と適応,近年承認された解毒・拮抗薬の話題,今後の課題について述べる。
Summary
●中毒患者に適切な治療を行うためには,中毒起因物質に対する特異的な解毒・拮抗薬が存在するかどうか,あらかじめ把握しておく必要がある。
●解毒・拮抗薬の使用にあたっては,その作用機序を十分理解し,タイミングを逃さずに使用することが重要である。
●国際化学物質安全性計画(IPCS)による解毒・拮抗薬評価で,A1(30分以内に投与することが望ましい有効性が確立した解毒・拮抗薬)と評価されている解毒・拮抗薬は,使用を検討する必要がある薬物といえる。
●近年承認された新しい解毒・拮抗薬がある。新しい解毒・拮抗薬について常に情報をアップデートすることが重要である。
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