症例検討 術後悪心・嘔吐
総論:術後悪心・嘔吐のハイリスク患者
白神 豪太郎
1
Gotaro SHIRAKAMI
1
1京都大学医学部附属病院 デイ・サージャリー診療部/麻酔科
pp.166-169
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100235
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
術後悪心・嘔吐postoperative nausea and vomiting(PONV)は術後しばしばみられる合併症で,患者が最も避けたいと思う術後合併症の一つである1~8)。全身麻酔後のPONV頻度はエーテル麻酔の時代には75~80%であったが,近年では25~30%,麻酔後回復室postanesthesia care unit(PACU)からの退室を遅延させる難治性PONVは0.2%程度と見積もられている1~7)。PONVはPACU退室後あるいは術後24時間以後に初めて発症する場合もある。PONV発症高リスクのため制吐薬の予防投与を受けた患者でも30~50%にみられる2,8)。日帰り手術患者の約30%に帰宅後の悪心・嘔吐postdischarge nausea and vomiting(PDNV)がみられる6)。
Copyright © 2007, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.