症例検討 冠動脈疾患患者の麻酔
胆囊摘出術:冠動脈病変の検索と非侵襲的検査の適応と限界
張 京浩
1
Kyungho CHANG
1
1東京大学医学部 麻酔学教室
pp.926-930
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100197
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症例
69歳の男性。身長165cm,体重80kg。胆囊炎と診断され,腹腔鏡下胆囊摘出術が予定された。術前合併症には,糖尿病,高血圧,慢性腎機能障害(クレアチニン3.2mg/dL)がある。5年前に糖尿病で入院した際には,トレッドミル運動負荷試験陽性でCAG(冠動脈造影)を施行したが,動脈硬化性変化は強いが有意狭窄はなかった。今回,胆石症精査のため入院した。
経過
ジピリダモール負荷心筋シンチを施行し虚血性変化は陰性であり,腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した。全身麻酔導入後,心室性期外収縮のショートランが1度あったが自然寛解した。
3か月後,坂道歩行時に胸痛が現れ,循環器内科に再入院し,CAGを施行し,三枝病変(#4PD 90%,#7 75%,#9 99%,#11 75%,#12 90%狭窄)が認められた。
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