徹底分析シリーズ 感染症を克服する:基礎編
ICUにおける感染症診療の常識・非常識
林 淑朗
1
Yoshiro HAYASHI
1
1University of Queensland, Royal Brisbane and Women's Hospital, Infectious Diseases Unit
1University of Queensland,Royal Brisbane and Women's Hospital,Infectious Diseases Unit
pp.874-879
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100186
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日本の感染症診療は何かおかしい。これは臨床感染症学が日本の医学教育において軽視されてきたことや,専門家の絶対数の不足に起因しているように思われる。感染症科という他の国々では当たり前の診療科目も,日本ではいまだ普及しておらず,感染症の問題が発生した場合に専門家の指導も仰げない状況が日常茶飯事だ。よって世界の常識が常識になっておらず,ときには非常識が常識化していることすらある。LiSAの読者にわかりやすく麻酔にたとえるなら,日本の感染症診療の水準は「外科医自ら行う麻酔」のそれに近い。
ここでは私が日頃感じている,「ICUにおける感染症診療」の「常識」となっていない「常識」や,「常識」と思われている「非常識」について述べる。
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