症例検討 耳鼻科手術の麻酔
扁桃摘出術:睡眠時無呼吸症候群患者の麻酔のポイントは術前の重症度評価にあり
遠藤 新大
1
,
上園 晶一
1
Arata ENDO
1
,
Shoichi UEZONO
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.784-789
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100165
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症例
6歳の男児。成長発達は特に問題なく,身長120cm,体重18kg。2歳頃からいびきをするようになった。4歳頃から睡眠時の無呼吸を認め,最近では無呼吸が15秒以上続くこともある。夜尿の頻度も高い。耳鼻科を受診したところ,扁桃のⅢ度肥大を指摘され(図1),扁桃摘出術の適応と診断された。ポリソムノグラフィー(PSG)は施行していない。
術前の胸部X線写真では心胸郭比(CTR)の拡大と肺血管陰影の増強を認めたので,心エコー検査を行ったところ,三尖弁逆流(軽度),右室拡大,心室中隔の右室への偏位を認めた。左室の駆出率(EF)は60%であった。
経過
手術終了後,リカバリー室で頻脈,中等量の吐血がみられた。耳鼻科医からは再止血に対して止血術の申し入れがあった。児は,血圧120/60mmHg,心拍数150bpm,尿量は不測,かなり暴れて泣いている。
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