症例検討 薬物の副作用:薬は毒である
加熱人血漿たん白(PPF)による低血圧:できるだけ早期にエピネフリン0.3~0.5mgを筋注
柴田 純平
1
,
川真田 樹人
2
Junpei SHIBATA
1
,
Mikito KAWAMATA
2
1信州大学医学部附属病院 集中治療部
2信州大学医学部 麻酔蘇生学講座
pp.440-443
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100094
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症例
71歳の男性。身長165cm,体重54kg。下血と食欲低下,体重減少があり来院し,直腸癌と診断された。直腸癌に対して低位前方切除術が予定された。高血圧を合併しており,アムロジピンとカンデサルタン シレキセチル(ブロプレス(R))を服用している。術前の血圧は132/86mmHg, 心拍数は66bpmであった。ヘモグロビン値10.5g/dLと軽度の貧血と,アルブミン濃度3.1g/dLという低アルブミン血症を認めた。
経過
術中,動脈性の急速出血があり,出血量が2000mLとなった。準備したMAP-LR4単位は既に使用しており,すぐに追加の輸血用血液は到着しない。重炭酸リンゲル液と加熱人血漿たん白500mLの急速輸液を行った。出血がコントロールできたにもかかわらず,数分後から90/60mmHgであった血圧がさらに低下しはじめ,60/40mmHgとなった。心電図は洞性脈であり,心拍数は80bpmであった。
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