徹底分析シリーズ 酸素:ヒトの強い味方,酸素を理解する!
酸素運搬の基礎と各種病態における変化
橋本 聡一
1
,
森本 裕二
1
Toshikazu HASHIMOTO
1
,
Yuji MORIMOTO
1
1北海道大学大学院医学研究科 侵襲制御医学講座 麻酔・周術期医学分野
pp.228-233
発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100048
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酸素運搬の基礎
血中酸素含量
酸素は,血液中でヘモグロビン(Hb)と結合しているか(結合型酸素),血漿中に溶解して(溶解型酸素)存在している。動脈血酸素含量(CaO2)は次の式で求めることができる。
CaO2=[1.39(mL/g)×Hb(g/dL)×SaO2]+[0.0031(mL/dL/Torr)×PaO2(Torr)] …(1)
第1項が結合型酸素で,1.39はヘモグロビンと酸素の結合定数である(コラム1)。第2項が溶解型酸素で,「液体に溶解する気体の量は分圧に比例する」というHenryの法則に従う。0.0031(mL/dL/Torr)は酸素の溶解度である。
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