特集 食事運搬
病棟における食事運搬
壁島 あや子
1
1国立東京第一病院小児科
pp.31-32
発行日 1965年6月1日
Published Date 1965/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202590
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病院における給食は,単調な入院生活をすごしている患者にとっての毎日の楽しみであると同時に,疾病治療上,医師の治療と相まって重要な役割を果たしている。しかし実際には,それらの食事がおいしくないという理由のもとに食べ残されてその効果をあげえないとしたら,給食部門はもとよりわれわれ臨床看護にたずさわる者としても考えなければならない大きな問題であると思う。われわれの病院でも,給食部では患者に嗜好調査やその他いろいろのアンケートを求めたりして患者の声をきいているようであるが,最近の自分の入院生活を通して強く感じたことは,やはりなんといってもあたたかい食事をあたたかいうちに食べたいということであった。あたたかであれば,多少献立が下手でも,おいしくたべられる場合が多い。冷たくなったために,食べ残しが出るということもあり得る。
温食給食ということはすでに言いつくされた感じがするが,実際にそれを行なうには,まだまだ研究されなくてはならないことが沢山あると思う。もしも患者の食欲が食事の温度によって影響されるとしたら,給食部で調理された食事を患者のところまで運搬するその過程に問題があるのではなかろうか。もちろん,これらのことは給食部で工夫されていることではあるが,私は病棟管理者として,病棟における食事運搬について考えてみたいと思う。
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