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特集 心電図ブレイクスルー—ここまできた! 活用と理解,診断力の最新知見
Editorial
Editorial
笹野 哲郎
1
1東京科学大学大学院医歯学総合研究科循環制御内科学分野
pp.180-181
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.243232840730020180
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1924年にアイントーベンが「心電計の発明」によりノーベル生理学・医学賞を受賞してから100年が経ちますが,心電図は変わらず臨床現場で使われ続けている検査であり,日常診療で避けて通ることのできない基本的検査ともいえます.しかし,心電図診断は必ずしも容易ではなく,臨床現場で診断に迷うことも多いのではないかと思います.症例や経験の蓄積が重要なのは当然ですが,心電図の理解をふまえた診断力を養うことが重要です.
また,心電図は非常に奥の深い検査でもあります.心電図は,時間と電位高,の要素からなる時系列データですが,われわれはこれを波形(画像)として認識し,P波,QRS波,T波といった波形の集合体を疾患と対応させてパターン認識する,という手法で理解してきました.しかし,これだけではわれわれはいまだに心電図の中にある膨大な情報の一部しか活用できていないように思います.フーリエ変換やウェーブレット変換に代表される時系列解析などは,新たな情報を引き出すための手段ですが,変換後の波形をどう解釈するか,大きなハードルがありました.近年の人工知能(AI)の発展は,通常の心電図波形や変換後波形のなかで,われわれが注目していなかった領域に大きな情報があることを示しており,あたかもわれわれに“新しい目”を提供しているように思います.この新しい視点と,発生学・解剖学・基礎電気生理学の知識を統合して心電図を理解することで,心電図判読に大きなブレイクスルーが得られると期待しています.

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