Japanese
English
綜説
腐敗—特に腐敗アミンの再検討をめぐつて
Problems of Putrefaction with Special Reference to the Putrefactive Amines
宮木 高明
1
Komei MIYAKI
1
1千葉大学腐敗研究所
1Institute for Putrefaction Research, Chiba University
pp.2-9
発行日 1955年8月15日
Published Date 1955/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905840
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腐敗のなりたち
私たちの生活はいつも微生物と共存することによるいくつかの問題をもつている。それは人間というものの生物的な必然でもあり,人間という環境をひらきつくるものが当然直面するところなのである。腐敗と呼ばれる現象もそうしたものの一つである。
腐敗は飲食物の変質を目で見,鼻でかぎ,舌で味うことによつて認知された現象であつて,それが微生物によることを実験的に証明したのはPasteurであるが,自然発生説をめぐる18世紀の生物学の脱皮期に際して腐敗は一つの足がかりとなつたし,また微生物学の出発点としてしばしば役立つていた。
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