Japanese
English
論述
光電測光法による血色素の測定
On the Hemoglobinometry by Photoelectric Photometry
河内 虎男
1
Torao KAWACHI
1
1三井産業医学研究所分光化学研究室
1Spectro-chemical Laboratory, Mitsui Medical Research Institute for Industry, Mitui Mining CO., Ltd.
pp.10-32
発行日 1955年8月15日
Published Date 1955/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905841
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Ⅰ.ヘモグロビン
哺乳類のヘモグロビンは1原子の鉄を含むヘム(ferroprotoporphyrin)と蛋白質グロビンとが1分子づつ結合した単位分子4箇からできていると考えられている色素蛋白(chromoprotein)である。
Svedverg,Fahraeus1)の超遠心器による沈降測定より計算されたヘモグロビンの分子量は66,800である。ヘモグロビン単位分子は1原子の鉄を含み,かつ1分子のO2またはCOと結合する。Hüffner2)によればヘモグロビンの鉄含有量は0.334%,1グラムのヘモグロビンと結合しうるO2,COは1.34mlであり,Bernhart,Skeggs3)による人のヘモグロビンの鉄含有量0.34%よりすれば,1グラムのヘモグロビンの結合しうるO2,COは1.36mlとなる。鉄の原子量を55.85として鉄含有量からヘモグロビン単位分子量を求めると前者から16,721後者から16,426をえる。しかし普通にはヘモグロビン単位分子量として16,700が使われることが多い。従つて鉄1グラム原子,O2,COまたはポルフイリンの1モルに対する当量濃度として1リツトル中にヘモグロビン単位分子の1グラム分子を含む溶液(16,700g/l)をヘモグロビンの1モル溶液,その1/1,000濃度のものを1ミリモル(mM)として表示される。
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