Japanese
English
綜説
神経分泌研究の現状について
Über den gegenwärtigen Zustand der Studien von der Neurosekretion
佐野 豊
1
Yutaka SANO
1
1京都府立医科大学,野田解剖学教室
1des Abteilung d. H. NODA des Anatomischen Instituts, Medizini sche Akademie der Kyoto-Präfektur
pp.98-104
発行日 1954年12月15日
Published Date 1954/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905802
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「神経分泌」と云う言葉は,我国では今日まだ比較的新しい感覚をもつて迎えられるが,既に諸外国ではこの分野の研究は文献の渉猟に遑のないほど,年々その広さと深さを増しており,昨年(1953)はナポリの Stazione Zoologicaに於て第1回万国神経分泌討議会が開催せられたし,本年(1954)はScharrer夫妻の執筆による「神経分泌」が,Möllendorff(-Bargmann)組織学全書中の一項として編入せられている。私は本年初め「脳と神経」6巻,1号に「神経細胞の分泌現象」と題して,やや歴史的な見地から,神経分泌について概説したが,その後ナポリから帰朝された榎並教授も,「科学」誌上に討議会の内容を中心として,綜説を発表されており,研究方面でも種々の大学でこの問題が取上げられている現状なので,今回は此処数年の間に行われた新しい業績をとりまとめて本誌の依頼に応じることにした。なお無脊椎動物の神経分泌については紙面の関係上本編ではふれない事とする。
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