Japanese
English
論述
駆虫剤の作用機序—Santoninを主題に
On the Mode of action of Anthelmintics
板東 丈夫
1
Takeo BANDO
1
1順天堂大学医学部藥理学教室
1Department of Pharmacology, Faculty of Medicine, Juntendo University
pp.105-112
発行日 1954年12月15日
Published Date 1954/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905803
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まえがき
一般に,駆虫剤といえば,蛔虫駆除藥に限らないし,蛔虫を対象とする場合にも,Santoninの他にHexylresorcinolのような殺虫作用を持つものや,Ficinのような蛋白分解酵素も含まれることになる。ここでは,その一つ一つについてのべることは避けて,蛔虫に対するSantoninの駆虫作用につき,その機序を論ずることとしたい。
Santoninは,蛔虫にはたらいて,寄主動物の腸からこれを文字通り追い出す作用をもつ藥物である。何故にこうしたことが起るか,その作用機序の解明は,古くして,また同時に新しい問題であるといえよう。著者は,この問題に大きな興味を覚え,何とかしてこれを解決したいと考えている者の1人である。
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