Japanese
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展望
Myanesin系抗痙攣藥おぼえがき
A Note on the New Anticonvulsants of Myanesin Conseners
山田 肇
1
Hajime YAMADA
1
1京都大學醫學部 藥理學教室
1Dept. of Pharmacology, Kyoto University, School of Medicine
pp.161-164
発行日 1953年2月15日
Published Date 1953/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905696
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1948年の春,偶然の機會から,3-(2′-Methoxy-phenoxy)-propane-1,2-diol(No.1)を入手した。これは元來フランスのFourneau,のちにはオーストリアのZinovicによつて作られたPhenoxy propane diolから出發したものだから,筋弛緩作用が豫期せられ,従つて痙攣性咳嗽の鎮壓によかろうと云う所から,まず一般毒性とか平滑筋作用とかをしらべ初めた。所がそれから間もなく本學藥學科の刈米教授から,この藥物は近頃ぼつぼつ雑誌に現れ初めたMyanesin,即ち3-(2′-Methyl-phenoxy)-propane-1,2-diol(No.2)に似ているから面白いではないかと云われ,改めてこの藥を見直すことになつた。そこで早速Myanesinに關する文献を漁つて行くと,例のF. M. BergerがW. Bradleyと共にロンドンのBritish Drug Houseですでに廣汎な研究を行い,1946年6月にはNature(159巻,4050號,813〜814頁)に,更に同年8月にはJPET(93巻,4號,470〜481頁)に夥しい誘導體の研究發表を行い,その内には今われわれが手がけているMethoxy誘導體もチヤンとはいつている。些か失望はしたものの,筋弛緩作用とか抗痙攣作用と云う言葉に何かしら新鮮なものを感じたので,これを機會にこの方面に足を踏みいれてみたいと考えた。
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