Japanese
English
論述
網膜の構造と機能
Structure and Function of the Retina
本川 弘一
1
Koiti MOTOKAWA
1
1東北大學醫學部 生理學教室
1Dept. of Physiology, Tohoku University, School of Medicine
pp.154-160
発行日 1953年2月15日
Published Date 1953/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905695
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解剖學或は組織學でよく知られていることでも,それがどんな働きをするのかさつぱり判らないものが澤山ある。例えば中枢神經系の網樣體(reticular formation)などは古くから知られており,學生でも知つているものだが,その機能が研究され始めたのは極く最近のことである1)。脊髄の前根に直徑の小さい纖維が澤山含まれていることやそれの分布先まで組織學では古くから知られていたが,それが筋紡錘の興奮を調節するものだということがわかつたのもやはり最近である2)。これは目下問題になつている例だが,生理學者が取り上げようとしないものも澤山ある。
網膜の組織學はRamón y Cajalによつて進められ,また最近ではPolyakによつて詳細に記述せられたが,その組織像の各要素の機能については全く想像の域を脱していないのは遺憾である。
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