報告
豚精子のエネルギー代謝と運動との關係—第三報 豚精子のP32攝取
高橋 泰常
1
,
關根 隆光
2
,
野末 源一
1
,
中尾 眞
1
,
古川 美採
1
,
吉川 春壽
1
1東京大學醫學部生化學教室
2順天堂大學醫學部生化學教室
pp.87-88
発行日 1952年10月15日
Published Date 1952/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905677
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エネルギー傳達サイクルたる燐酸代謝をうかがうに先立ち,放射性燐P32を用いて,精子のP32攝取の模樣を諸條件下に觀察した。
實驗方法 精子浮遊液:第1,2報1),2)に同じく,0.02M萄葡糖を加えたKrebsのCafree Ringer Bicarbonate(0.0012M KH2PO4を含む)(KRB)を浮遊液とし,浮遊精子濃度は第2報解糖作用觀察の結果より,5×108個/cc附近を適當と考え,それを用いた。P32攝取量の測定:精子浮遊液にKH2PO4の形でP32を加え,諸條件下に37℃にincubateし,時間を迫つてその0.5ccをピペツトで取り,速かに氷冷下濾過,精子細胞を分離する方法を用い,同時に運動活力を觀察した。濾過分離法として第一圖に示すような裝置を考案し所要時間1分以内という短時間の分離洗滌を可能ならしめた。濾紙は東洋濾紙No.7(無灰)註1)を用い,KRBから燐酸鹽のみを除いた液0.5ccで2回洗滌註2),濾紙上に殘つた精子細胞を濾紙ごと取りはずし,計測皿に糊で張り附け,乾燥後,Geiger-müller計測器(科研製)を用いて,そのRadio-activityを測定した。
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