報告
門脈壓の週期的變動に就いて
錢場 武彦
1
,
岸 良尚
1
,
福場 友重
1
1廣島醫科大學生理學教室
pp.226-230
発行日 1952年4月15日
Published Date 1952/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905649
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緒言
靜脈血が心臓に還流する機轉に就ては未だ分明でない。殊に門脈の血行に就ては一層不明である。脾臓,腸等に週期的容積變化が見られるが,之が一般動脈壓に週期的變動を與えている事は,Barcroft & Nisimaruら3)4)が明らかにして居るが,しかし之等器官の收縮が靜脈側に及ぼす影響に就ては未だ追及されていない。又血管の週期的收縮は血行促進に與つて力ある9)が,この觀點から,腸や脾臟に見れる所の週期的容積變化が,腸及肝臓の雨毛細血管系の間に介在する門脈系に對してどの樣な影響を及ぼすかを追及して見た。一方肝臟にも他の器官に見られる樣な週期的容積變化が見られ,これも門脈血行に對しては大きな壓變動を生ぜしめる事を知つたので報告する。
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