報告
病理形態學から見たd-アミノ酸代謝(豫報)—ヒスチヂン代謝に關連して
新井 恒人
1
,
菱川 和夫
2
1和歌山醫大病理學教室
2和歌山醫大榮養研究部
pp.266-267
発行日 1951年6月15日
Published Date 1951/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905589
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はしがき
從來生化學的乃至榮養學的の研究(1)によれば,或種類のd-アミノ酸はその1-體と同樣に榮養學的の效果が認められており,この場合生體内に於てd-アミノ酸はd-ケト酸を經て1-アミノ酸に復歸すると考えられ,このように非天然活性體であるd-體が體内に於て1-體即ち,天然活性體に變化する機轉は,所謂立體歸化Stereon-aturalisation(古武(2))と呼ばれている。d-ヒスチジンについても同樣に考えられており,その生體への投與に際しては,體内で1-ヒスチヂンに變化して榮養的效果を現わすという。著者の一人新井は豫て病理形態學の立場から,アミノ酸特にヒスチヂンの生體内代謝乃至疾病發症との關係について研究中であるが,今回d-ヒスチヂンの生體内代謝の病理形態學的研究に先立ち,先づdl-ヒスチヂン代謝について研索,1-體代謝との比較研究から,d-體代謝に興味ある成績が推定されるので,目下研究續行中ではあるが,その一部を豫報として速報する。
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