論述
シヨックに於ける糖質中間代講
茂手木 皓喜
1
,
飯島 登
2
1東京大学化学教室
2東京大学福田外科教室
pp.119-122
発行日 1950年12月15日
Published Date 1950/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905553
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1.緒言
古來二次シヨックに於いては糖の代謝が最も強く障碍されると云われている.Aub and Wu(1920)並びにRoberston1)(1935)は動物の出血シヨックに於いて過血糖,乳酸焦性ブドウ酸の増加等を指摘し,以來これらに関していろいろの研究が行われている.しかし何れも同時にこれらの成分の消長を研究したものはない.又シヨックの種類もまちまちで,採血もせいぜい2,3回で,シヨック経過中の各成分の変化を時間的にみたものは殆んどない.シヨックに際してこれら成分の変化を知ることは,糖質中間代謝を研究する上に極めて重要なことである.そこで私達は,出血,外傷,熱傷,腸閉塞,腹膜炎に続発するシヨックにおけるこれら成分の分析をなるべく時間的に頻回に行つた.実驗動物は犬を用いた.
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