講座
産科に於けるシヨック
林 基之
1
1東大産婦人科
pp.28-32
発行日 1955年10月1日
Published Date 1955/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200930
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はしがき
第二次大戦以前に於てはシヨックに就いての研究が不充分であった為,産科に於るシヨックの事を「産科的シヨック」といつて,特別のシヨックと考えて居たが,最近,シヨックに就いての物理化学的分析や,病理解剖の詳細な研究が可能となってからは,之も普通に見られる出血・外傷・手術的侵襲・特殊薬物・熱傷等によって起るシヨックと,何等本質的に異るものでないことが分った.
勿論,分娩を契機として起る母外の変化は,急激であり,見掛上,生理的に進行して居ると考えられて居るものが急変して,シヨック次で急死という悲惨な結末を辿る為,診断を速かに下して適切な処置を行わねばならない.
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