實驗室より
超遠心器による細菌學的研究—(九大式超遠心器と2,3ウィールスの分離)
戸田 忠雄
1
,
中川 洋
1
,
松田 正彦
1
,
大友 信也
1
,
福田 武夫
1
1九大医学部細菌学教室
pp.86-89
発行日 1950年10月15日
Published Date 1950/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905545
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1.緒言
昭和21年初めより九大理学部物理学教室に於て水野教授御指導の下に松倉保夫が超遠心器の製作をはじめ,22年12月には我國ではじめて圧搾空氣駆動によつて直径10cm重量約3kgのローターを48,000 rpmの高速度で回轉せしむることに成功した.昭和23年度より日本学術会議「超遠心器の製作とそれによる蛋白質及びウィールスの研究特別委員会」より研究費の配分を受け写眞1に示すような分離用超遠心器装置を完成し,現在直径約18cm重量約3kgのローターを使用して30,000 rpm(約65,000g)の遠心力場を得ることが出來各種ウィールスや蛋白質の分離が或る程度可能となつて來た.今回はこの超遠心器の構造の概要の紹介と,2,3ウィールスの分離成績とを簡單に報告する.
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