分離分析の技術Ⅱ・8
超遠心分離—リポ蛋白の分画定量
等々力 徹
1
,
横田 厚彦
1
Toru TODOROKI
1
,
Atsuhiko YOKOTA
1
1慶応義塾大学病院中央臨床検査部臨床化学
pp.900-906
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911942
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
血清中のリポ蛋白は,脂質の体内における担体である.それらは血清中で代謝されながら,それ自身の持つ脂質を臓器から臓器へと運搬している.最近,このような血清中リポ蛋白代謝が詳しくわかってきている.それらの知見から考えると,血清中のリポ蛋白分画比は,まさにリポ蛋白代謝の動態を反映するはずである.したがって,臨床化学の脂質検査において,各症例につき,リポ蛋白の分画比や,さらに各リポ蛋白の脂質組成を知ることが,その症例の血清中リポ蛋白代謝の動態,ひいては高脂血症の成因の追究に必須となる.
本稿では,超遠心分離を用いた血清リポ蛋白分画,ならびに各リポ蛋白の脂質組成の解析法を,得られた結果とともに紹介する.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.