Laboratory Instrumentation
超遠心機
菅野 浩
1
1新潟大学理学部・生体物理化学
pp.446-449
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914337
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超遠心機は強力な遠心力を発生させて,重力の場では沈殿しないような細胞内顆粒体やウイルス,その他生体高分子物質を沈殿させる装置である.混合物の組成の分析,純度の検定,分子量測定などを行うための分析用超遠心機と,分離精製を主な目的とし,ある程度の分析も可能な分離用超遠心機とがある.分離用として最高2万rpm (毎分の回転数)程度までの回転が可能な遠心機があるが,これは高速冷却遠心機と言われる.超遠心機は普通4万rpm程度以上の回転が可能なものを指し,現在では最高回転数8万rpm,最大遠心力50万×G(重力の50万倍)程度まで出せるものが市販されている.我が国で普及しているのは日立とBeckman-Spinco(米国)の製品であるが,このほかにInternational(米国),MSE (英国)などの製品もある.本欄では臨床検査室の現況を考えて,分離用超遠心機を主な対象として解説し,分析用超遠心機については原理を説明するにとどめる.
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