論述
Actinophageの研究—(特にその分離精製と電子顯微鏡的形態に就いて)
藤原 喜久夫
1,2
1千葉大学腐敗研究所
2千葉大学医学部
pp.53-58
発行日 1950年10月15日
Published Date 1950/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905537
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緒言
微生物に吸着せられて溶菌を起し,同時に自らは増殖を行う所の,一群の特徴ある有効原質を一般にPhageと呼んでいるのであるが,これに関する綜合的研究は1917年D'Herelleの発表にその源を発する.放線状菌に作用する所のActinophageの研究は1934年Dmitrieffの記載が最初である.即ち彼はActinomyces bovis Bostroemの比較形態学の研究中にその溶菌現象の発現をみたのであるが,更に1935年Dmitrieff及びFirioukowaはブイヨン培養に於いても同樣の溶菌の行われることをみている.又1936年にDmitrieff及びSouteéffはこのActinophageに対する感受性及び非感受性株の比較を詳細に行い,又このブイヨン培養溶菌液のChamberland濾液をとり,これを放線状菌症の治療に用いて良好な成績を得ている.
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