今月の主題 補体
技術解説
補体成分の分離精製
鈴木 貴和
1
1東京都臨床医学総合研究所
pp.1009-1016
発行日 1980年9月15日
Published Date 1980/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915563
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最近補体は抗体に対する従属的立場から脱却し,免疫機構をはじめとする種々の生体防御機構の中で,独立した地位を占めるようになった.これと併行して血中の補体量が自己免疫疾患や癌など種々の疾患で変動するため,これらの病状経過の指標として有用なことも明らかにされた.
このような補体に対する知識の蓄積を背景に,臨床研究的にもCH50やACH50価の測定が一般化され始めているが,方法論的な頻雑さもあって,補体成分の活性測定には手が届きかねているのが現状である.したがって,補体成分の測定に関しては免疫一元拡散法やネフェロメーターを使用して,主としてC3,C4,C5やC9などの含量測定が主体となっている.
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