研究報告
赤血球沈降反應の物理化学的解析〔2〕—集速沈降期に於けるStokesの法則適用について
長井 良夫
1,2
1東京医科歯科大学生化学教室
2東京鉄道病院第一内科
pp.29-33
発行日 1950年8月15日
Published Date 1950/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905529
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集積塊の実則算術平均半径(γ)の定決について
集積塊の半径の実測及びその平均のとり方は,実測値が変動の大なる幅を有する場合には,先ずその値の有する意義を檢討して後に決定せらるべきであることは勿論であつて,それには先ず種々の考えより出発せる計算法を比較檢討してその結果を考察しなければならない.
この故に著者は最初に次ぎの方法に依り,最も素朴なる実測算術平均半径γを算出した.即ち各赤沈管に於いて上述の如く各種の沈降を行わせ,それらの集積塊の沈降が等速沈降期に入りたるを確認した後,その各々について実驗と同様にηP,ηB,ρP及びρBを測定し,それと平行して適当なる細き口径を有するピペツトを赤沈管の上部口より挿入し,沈降しつゝある集積塊柱の上部を甚だ静かに吸い上げ,之を血球計算用のカンマー中に流し移し顯微鏡のミクロメーター下に於いて出來得る限り多数の集積塊について長径と短径とを読みとり,その算術平均をとる事により,これを所謂実測算術平均半径(γ)とした.
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