研究報告
赤血球沈降反應の物理化學的解析〔1〕—等速沈降期に於けるStokesの法則の適用について
長井 良夫
1,2
1東京医科歯科大学生化学教室
2東京鉄道病院第一内科
pp.290-295
発行日 1950年6月15日
Published Date 1950/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905514
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緒言
赤血球沈降(以下赤沈と略称)反應の物理化学的解析については,その沈降速度の示す曲線の形状に依り,先づ最初に加速沈降期があり次いで等速沈降期が現われ,それが更に第三の減速沈降期に移行して終末値に達することは1)2)3)4)5)6)既に本反應の発見当初より注目されて居たのであるが,これらの意義についての研究はその後は些したる進展なく,唯第一期に相当する加速沈降の時期が血球集積(Agglomeration)の時期に相当するものと考えられて居るのみで,これ以上詳しき研究は行われて居なかつた.
その後宮本,三橋等7)8)は赤沈速度曲線を作図的に解析し赤沈反應の全経週を,第一;血球集積期,第二;等速沈降期,第三;密集沈降期;第四;収縮期の四期に分類することに成功した.
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