研究報告
Cohn氏法に依る正常日本人血清の蛋白分屑に就て
近 新五郞
1
1東京慈恵會醫科大學生理學教室杉本研究室
pp.204-205
発行日 1950年1月15日
Published Date 1950/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905489
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緒言
血清蛋白分屑の定量にはHowe氏の硫酸ナトリウムに依る分劃法1)が最も正確な方法として今日まで用いられておつたが,この方法は最後にKjeldahl氏法によつて窒素を測定しなければならないので,操作も餘り簡單とは云えず,そのため餘り臨床家に利用されるには至らなかつた。それでこの鹽析法を手輕に取扱える樣に幾多の研究がなされ,Kjeldah1氏法の代りに呈色反應を利用して殆どこれと損色ない程に正確な値が得られる様になつた2),3),4)。
最近電氣泳動法5)の發明により血清蛋白分屑の定量は更に正確に該細に分類される様になつた。Cohn及びその協同研究者達6)は上記鹽析呈色反應を用いて出來るだけ電氣泳動法に近い値を得るために實験し,それによつて得られた血清蛋白分屑を電氣泳動法による分屑の名稱に從つてアルブミン,α-,β-,γ-グロブリンと名付けた。
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