研究報告
反復興奮周期の搖ぎについて
萩原 生長
1,2
1東大・立地自然科學研究所
2東大醫・生理學教室
pp.27-30
発行日 1949年3月25日
Published Date 1949/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905439
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生理學では周期的現象と呼ばれるものが非常に澤山あるが1),その大部分は正しい意味では周期的とは云へない.例へば心搏動の樣に一見規則正しく繰り返してゐるものでも,その一度一度の周期は必ずしも一定ではなく可成りの搖ぎを持つてゐる.その意味で吾々は周期的興奮を反復興奮と呼び,その周期を間隔と云つてゐる.さて從來この間隔の規則的性質に就いては可成りの研究があるにもかゝはらず,之からのはずれに就いては殆ど顧られてゐない.併しながらこの不規則性をも併せて取り上げるならばかゝる現象の本質に更に一歩近ずく事が出來るのではなかろうか.本文はその試みの一端として,一見一樣な間隔で反復してゐる現象の中でかゝる不規則な搖ぎがどの程度の大いさを占めるものであるかを記し,終りに不規則性を利用した一つの觀察に就いて述べる.そして更に精しい事柄は今後の問題にし度いと思ふ.
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