Japanese
English
研究と報告
感情障害エピソード反復の周期性と季節性
Periodicity and Seasonality of Recurrent Episodes in Mood Disorders
押谷 葉子
1
,
山田 尚登
1
,
高橋 三郎
1
Yoko OSHITANI
1
,
Naoto YAMADA
1
,
Saburo TAKAHASHI
1
1滋賀医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Shiga University of Medical Science
キーワード:
Periodicity on recurrent episodes
,
Seasonality of onset
,
Bipolar disorders
,
Major depression recurrent
Keyword:
Periodicity on recurrent episodes
,
Seasonality of onset
,
Bipolar disorders
,
Major depression recurrent
pp.1197-1202
発行日 1994年11月15日
Published Date 1994/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903769
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【抄録】 DSM-Ⅲ-R診断基準で双極性障害(うつ病性および躁病性),大うつ病(単一エピソードおよび反復性)を満たした患者のうち急速交代型の双極性障害を除く87名の患者で,躁病エピソードとうつ病エピソード発症の周期性と季節性を検討した。
うつ病エピソードは春に,躁病エピソードは夏に最も多くみられた。また,大うつ病単一エピソードでは秋に第2のピークを示した。しかし,いずれも季節性に統計学的な有意の差はなかった。周期性に関しては,双極性障害では隣接するエピソードの間隔には明らかな周期性を認めなかったが,躁病エピソードが12カ月後の再発,また大うつ病反復性においても12,24カ月前後の再発が多く認められ,これらの感情障害が1年および2年後の同じ季節に再発する傾向が認められた。またこの傾向は躁病エピソードについては統計学的に有意であった。これらのことから発症の季節性または周期性について,感情障害の下位分類に差が認められ,しかも,大うつ病反復性のうつ病エピソードと双極性障害の躁病エピソードに12カ月を基本周期とする周期性が存在していることが示唆された。
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