抄録
「生体運動機構」セミナー(2)
渡辺 静雄
1
,
江橋 節郎
2
,
野々村 禎昭
2
,
東 尚巳
3
,
丸山 工作
4
,
J. Gergely
5
,
N. Ikemoto
5
,
S. Kitagawa
5
,
A. Martonosi
5
,
川口 四郎
6
1Cardiovascular Research Inst and Dept.of Biochemistry, Univ.of Calif.Medical Center
2東京大学医学部薬理学教室
3北海道学芸大学
4東京大学教養学部生物学教室
5Department of Musclc Research, Retina Foundation
6岡山大学生物学教室
pp.102-103
発行日 1966年4月15日
Published Date 1966/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905417
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- 文献概要
□ 構造蛋白の相互作用とその形態
筋収縮におけるマグネシウムの役割り
マグネシウムの筋収縮に対する効果についての解答というよりはむしろ疑問を提出しようと思う。
筋の研究の初期においてA. Szent-GyörgyiはATPによつて惹き起こされる筋モデルの収縮に対するマグネシウムの阻害作用とともに促進作用をも強調した。最近,丸山(1962)および安井(1965)に,阻害はMgがある濃度に達するとかなり突然におこることを示した。そして彼らは,それがおそらく二つの異なる現象であり,一つはMg-ATP複合体の濃度が最適値より多くなつたための単純な阻害であり,他はミオシンBの可溶化であろうと考えた。後者は非常に低い濃度のカルシウムによつて抑制されるが,前者による阻害を逆転するためには比較的高濃度のカルシウムが必要である。
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