抄録
「生体運動機構」セミナー(1)
殿村 雄治
1
,
W. Wayne Kielley
2
,
William F. Harrington
3
,
John M. Marshall
4
,
関根 隆光
5
,
山下 辰久
5
,
山口 正弘
5
,
久保 周一郎
6
,
Manuel Morales
7
,
堀田 健
8
,
八木 康一
9
,
Teru Hayashi R.J. Grant
10
,
L.B. Cohen E. E. Cark
10
,
浅井 博
11
,
太和田 勝久
11
,
葛西 道正
11
,
大沢 文夫
11,14
,
Andrew G Szent-Györgi
12
,
浜 浩子
13
,
野田 春彦
13
,
秦野 節司
14
,
田沢 等
15
,
大西 勁
16
1大阪大学理学部生物学教室
2Section on Cellular Physiology Laboratory of Biochemistry National Heart Institute
3Mc Collum-Pratt Institute Johns Hopkins University Baltimore, Md.
4Dept.of Anatomy, University of Pennsylvania
5順天堂大学医学部生化学教室
6大阪大学理学部生物学教室
7University of Calfornia
8名古屋市立大学医学部生理学教室
9北海道大学理学部化学教室
10Dept.of Zoology, Columbia University and Marine Biological Laboratory
11名古屋大学分子生物学施設物理学教室
12Dept, of Cytology Dartmouth Medical School
13東京大学理学部生物化学教
14名古屋大学
15大阪大学
16早稲田大学物理学教室
pp.300-307
発行日 1965年12月15日
Published Date 1965/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902658
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本セミナーは,日米科学協力計画の支援のもとに,1965年9月14日から17日に至る4日間にわたり,東京虎ノ門国立教育会館において行なわれたもので,本セミナーの計画運営は,米側T. Hayashi(コロンビア大学動物),日本側,神谷宣郎(阪大理),江橋節郎(東大医)が当つた。以下はその講演要旨である。
ミオシンの構造と機能
筋収縮における基幹反応としてのミオシンのリン酸化
ミオシン-ATP系から反応初期に遊離するH+とPiとを測定すると,ミオシン-ATPaseはATPを2つの異なつた経路をへて分解する双頭酵素(double-headed enzyme)であることがわかる。一つの径路はミカエリス複合体をへての単純な分解であり,他はミカエリス複合体がリン酸化ミオシンに転化して後,はじめておきる加水分解である。リン酸化ミオシンはトリクロルサク酸中で不安定であり,その生成は,ふつうATPase反応をトリクロルサク酸で停止した際に起こる初期のすみやかなPiの遊離として観察できる。リン酸化ミオシンは結合ADPをふくまず,ミオシンのリン酸化に際してはH+の濃度は一定である。リン酸化ミオシンは大量の活性炭によつてATPase反応を停めた後に,その懸濁液を低イオン強度においてミリポアフィルターで急速に濾過することによつて単離された。
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