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特集 研究室で役に立つ新しい試薬
膜関連試薬
アラキドン酸カスケード修飾試薬
RS-5186(トロンボキセン合成酵素阻害剤)
RS-5186 (Thromboxane synthetase inhibitor)
山崎 光郎
1
Mitsuo Yamazaki
1
1三共(株)活性物資研究所
pp.441
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905345
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RS-5186は強力なトロンボキセン(TX)合成酵素阻害剤で,その構造式を図1に示す。実験式C13H11O2N2SNa,分子量282.3,融点>300℃,水に易溶な無色結晶である。
TX合成酵素(ウサギ血小板ミクロゾーム)に対するRS-5186の50%阻害濃度(IC50)は13nM。同じ条件での他のTX合成酵素阻害剤のIC50。は次のとおりである:OKY-046,38nM:CV-4151,39nM:Dazoxiben,106nM。シクロオキシゲナーゼ,5-リポオキシゲナーゼおよびホスホリパーゼA2は300μMでも阻害しない1)。
RS-5186は動物に投与した時,作用が長時間持続するのが特徴である。イヌにRS-5186または,他のTX合成酵素阻害剤(OKY-046,CV-4151)を静脈投与後,経時的に採血し,血液凝固させた後に得られた血清中のTXB2値を図2に示す。RS-5186の0.1,1,10mg/kgの投与で用量依存的にTXB2の生成を抑制し,他のTX合成酵素阻害剤よりも持続性がある1)。このようにRS-5186の作用が長時間持続する理由は,この物質が特異的に血小板に蓄積すること,および代謝を受け難いためであることが明らかにされている2)。
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