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特集 肺癌個別化治療におけるバイオマーカー
チミジル酸合成酵素(TS)
Tymidylate Synthase
清水 哲男
1
Tetsuo Shimizu
1
1日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野
1Division of Respiratory Medicine, Department of Internal Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.1235-1242
発行日 2012年12月15日
Published Date 2012/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102108
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はじめに
チミジル酸合成酵素(tymidylate synthase;TS)は葉酸代謝において核酸合成に関わる主要な酵素であり,DNA合成や修復に関与している.細胞増殖に必要な酵素であり,癌細胞におけるTS発現と癌の悪性度との関連が示唆されている1~3).また,抗癌剤である5-fluorouracil(5-FU)やS-1,ペメトレキセドといった葉酸代謝拮抗薬の主な標的蛋白であり,今までに抗癌剤の臨床効果とTS発現との関係について数多く報告されている.近年,肺癌領域においても治療効果予測因子や予後予測因子といったバイオマーカーとして注目されている.
本稿においては,TSの機能,遺伝子多型,肺癌における発現,TS阻害薬について概説する.
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