Japanese
English
特集 NOと循環調節
NO合成酵素の調節
Regulation of Nitric Oxide Synthases
平田 結喜緒
1
Yukio Hirata
1
1東京医科歯科大学医学部第2内科
12nd Department of Internal Medicine Tokyo Medical and Dental University
pp.119-125
発行日 1996年2月15日
Published Date 1996/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901191
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はじめに
血管内皮は血管トーヌスや抗血栓性に重要な役割を果たす場であることは知られていたが,1980年,Furchgottが初めて内皮由来弛緩因子(en—dothelium-derived relaxing factor:EDRF)の存在を報告した.その後EDRFの本体が一酸化窒素(NO)であることが,1987年,MoncadaやIgnarroらのグループによって明らかにされるまで長い年月が必要であった.これはEDRFが不安定な物質であり,その化学的同定が困難を極めたためといえよう.1988年,NOは準必須アミノ酸であるl—アルギニンから生成され,その反応はNO合成酵素(NO synthase:NOS)と呼ばれる酵素によって触媒されることが分かると,1990年以後は一挙にNOSのクローニングが行われ,引き続いてNOS遺伝子のノックアウトマウスが樹立された.
本稿ではNOSの調節に関する最近の知見を解説する.
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