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特集 研究室で役に立つ新しい試薬
蛋白質,その他修飾試薬
蛋白質の架橋試薬
m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)
m-Maleimidebenzoyl-N-hydroxysuccinimide ester
太田 英彦
1
Hidehiko Ohta
1
1浜松医科大学生化学第2講座
pp.313-314
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905293
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合成ペプチドに対する抗体を得るために動物を感作するには,合成ペプチドを担体とするタンパク質に共有結合させたほうが能率がよい。
架橋剤としては,(1)アミノ基相互間を架橋するグルタールアルデヒドや二価のジアゾ化合物,(2)アミノ基とカルボキシル基との間にペプチド結合を作らせる水溶性のカルボジイミド剤,および(3)チオール基とアミノ基とに反応する異反応性の二価試薬などが用いられる。このうち北川らがはじめに報告した,(3)に属するm-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)1)は水に難溶性であり,不安定であるとも指摘されるが抗ペプチド抗体を作る目的に従来からよく用いられている。種々の架橋剤と比較して結合安定性がグルタールアルデヒドにやや劣る2)が,抗体産生性3)は満足できるものとされている。
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