Japanese
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特集 細胞内における蛋白質局在化機構
ペルオキシソーム局在化シグナル:アシル-CoAオキシダーゼ
Peroxisomc-targeting signal of rat liver acyl-CoA oxidase
宮沢 昌子
1
,
大隅 隆
1
,
橋本 隆
1
,
大野 恭子
2
,
三浦 恵
2
,
藤木 幸夫
2
Shoko Miyazawa
1
,
Takashi Osumi
1
,
Takashi Hashimoto
1
,
Kyoko Ohno
2
,
Satoshi Miura
2
,
Yukio Fujiki
2
1信州大学医学部生化学教室
2明治乳業ヘルスサイエンス研究所分子細胞生物学研究室
pp.563-565
発行日 1988年12月15日
Published Date 1988/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905219
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ペルオキシソームは,ほとんどすべての真核細胞に存在する一重膜で囲まれたオルガネラである。このオルガネラには,ミトコンドリアとは異なる諸酵素よりなる脂肪酸β酸化系が局在している1,2)。真核細胞にとっては,系統的に異なる二つのβ酸化系が必要である。植物や単細胞真核生物におけるベルオキシソームβ酸化系の重要性はすでに明らかにされている。ごく最近,Zellweger症候群をはじめとするペルオキシソームβ酸化系の欠失に起因する重篤な先天代謝異常が明らかとされ3),ヒトを始めとする高等動物においても,ペルオキシソームβ酸化系が不可欠なものであることが明らかにされた。
現在,ペルオキシソーム形成について次のような作業仮説が考えられている。ペルオキシソームを形成するタンパク質はすべて,細胞核遺伝子によってコードされ,遊離ポリソーム上で生合成された後,既存のペルオキシソームに局在化される4)。
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