技術講座 血液
血小板ペルオキシダーゼ
山崎 家春
1,2
,
矢冨 裕
3
1井上記念病院病理科
2東京医科大学分子病理学講座
3東京大学大学院医学系研究科内科学専攻病態診断医学講座臨床病態検査医学分野
pp.519-526
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102831
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新しい知見
急性白血病の分類は,形態学と細胞化学所見中心に確立されたFAB(French-American-British)分類1)で行われている.近年,細胞免疫表現型,細胞遺伝子所見などの進歩が目覚ましく,これらに形態所見と臨床所見を加えた分類法の検討がアメリカ血液病理学会,ヨーロッパ血液病理医協会,そしてわが国を含めた世界の病理学者,血液学者らによって行われた.その結果を受けて2001年に刊行されたWHO分類第3版2)では血液学的悪性腫瘍の病型を個々の疾患単位として定義された.現在では2008年9月に刊行されたWHO分類第4版3)を用いている.しかしながら,急性白血病ではこれらの情報からでも総合的に判定することが難しい病型も存在する.このような場合,電子顕微鏡(以下,電顕)的血小板ペルオキシダーゼ(platelet peroxidase,PPO)検査結果が最終診断の有効な情報となっている.
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