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特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル
抗体の作製と吟味
免疫拡散法
Methods for immunodiffusion
大日方 昻
1
Takashi Obinata
1
1千葉大学理学部
pp.404-405
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905027
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- Abstract 文献概要
免疫拡散法は,抗原,抗体あるいはその両者を種々の支持体内で拡散させ,生じた沈降線(帯)を観察する方法であり,ゲル内拡散法ともよばれている。支持体としては寒天(またはアガロース)ゲル,セルロースアセテート膜その他が用いられている。近年,モノクローン抗体法の登場およびそれに関連して,イムノブロット法などの新しい抗体検定法の開発により,免疫拡散法の重要性はやや薄れたかにみえる。しかし,依然として重要な実験手技であることに変わりはない。この方法の利点として,1)抗体,抗原が拡散過程で希釈されてそれぞれの濃度勾配ができ,適切な濃度域で沈降線を生ずる。したがって,かなり広範囲の抗体,抗原濃度で免疫反応を検出できる,2)免疫沈降線の数と位置関係から,抗体の純度,抗原蛋白質の免疫学的類似性を知れる,3)抗原濃度の算出ができること,などがあげられよう。一般的に,モノクローン抗体の場合には免疫沈降を生じないので,この方法は使えない。免疫拡散法には種々の方法があるが,紙面の制約からここでは,主にOuchterlony法について述べ,他の方法はごく簡単にふれるにとどめる。不足の点は,他の実験書1-4)を参照されたい。
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