増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅶ.抗菌薬の抗菌力試験
2.ディスク拡散法
相原 雅典
1
1天理よろづ相談所病院臨床病理部
pp.239-241
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902786
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はじめに
薬剤感受性検査の標準法は希釈法であるが,ディスク拡散法は簡便性,経済性および融通性ともに優れ臨床検査室で最も汎用されている方法である.ディスク拡散法は被検菌を接種した培地に一定濃度の抗菌薬を含ませた円形濾紙(感受性ディスク)を置き,ディスクから培地内に溶出する抗菌薬が作る濃度勾配により,培地表面で増殖しようとする菌をどこまで阻止するのかを知る方法である.阻止帯径の大きさは感受性の指標とされるが,そのためには希釈法で得られた最小発育阻止濃度(MIC値)と相関することが前提となる.薬剤感受性検査を正しく遂行するためには,MICと阻止帯の関連や,成績の解釈について正しい知識が必要である.
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