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特集 細胞生物学実験マニュアル
細胞運動・細胞骨格分析
食作用分析法
Assay of phagocytosis
永山 在明
1
Ariaki Nagayama
1
1佐賀医科大学微生物学教室
pp.344-345
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904895
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■ 概要
細胞は細胞外の粒子や分子を内部に摂取する。この過程はエンドサイトーシス(endocytosis)とよばれ可溶性分子やフェリチンのような小さな粒子の取り込みを飲作用(pinocytosis),赤血球のような大きな粒子の取り込み,処理を食作用(phagocytosis)とよぶ。食作用が非常に盛んな細胞は食細胞(phagocyte)とよばれ,顆粒球系(granulocyte,多核白血球polymorphonuclear leukocyte)とマクロファージ系細胞(単球monocyte,マクロファージmacrophage)にわけられる。細胞の運動や膜たんぱくの移動に微小管やアクチンフィラメント,中間径フィラメントなど細胞骨格が重要な役割を果していることは知られている。したがって,細胞運動やそれぞれの細胞骨格の機能の解明の上で,食作用の活発な食細胞を用いて解析を行うことは大きな意義がある。食細胞による食作用は,①異物と細胞膜が接触結合し,②偽足様突起が異物を取り囲み,③陥入して細胞内小胞(食胞,phagosome)となり,④食胞はリソソームと融合してファゴリソソーム(phagolysosome)となり,⑤病原体の殺菌(killing),異物の消化(digestion)といういくつかのステップにわけられる。
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